製品・ソリューション
映像伝送・画像処理・時刻同期
5G / ローカル5G、sXGP、放送、産業用イーサネットなどで要求される高精度時刻同期をサポートするPTPグランドマスター・クロック
近年、通信、放送、産業向けイーサネットなどの各種産業分野におきまして、ナノ秒精度の極めて高精度での機器間の時刻同期が必要とされるニーズが急増しています。Protempis社 Thunderbolt® PTPグランドマスター・クロック GM200は、PTPによる高精度の時刻同期が要求される5G / ローカル5Gネットワーク、およびsXGPにおける基地局の同期、SMPTE 2059放送用時刻同期プロファイルによる放送機器間のIP接続、および各種産業向けイーサネットにおけるIEEE 802.1ASプロファイルによる高精度時刻同期用に開発されたPTPグランドマスター・クロック製品です。本機は業界をリードするProtempis社のGNSSソリューションおよびホールドオーバ技術を採用し、高精度の時刻精度を提供します。また、屋内および屋外での厳しい環境条件への導入にも対応する製品です。
※ Trimble社 Time & Frequency Div.は、2022年5月に「Protempis社」に社名変更いたしました。
通信分野におけるグランドマスター・クロックの役割
本機は4G LTE、5G / ローカル5G、およびsXGPのモバイルネットワークにおける各種の時刻同期要件をサポートします。これらのサービスの展開時には、多数の基地局が導入されることが予想され、PTPによるグランドマスター・クロック製品に関しましては、時刻同期が必要な無線基地局にできる限り近い場所に設置し、高品質な時刻同期信号を供給することが求められます。本機は19インチ・ハーフサイズと小型であり、また、優れた動作温度範囲特性(-40℃ ~ +85 ℃)を有しながらも、ローコストなPTPグランドマスター・クロック製品として、多数の基地局の近傍に分散・設置することが可能であるため、ネットワークを経由することなく、クライアントに対し高品質のPTP信号を直接配信することが可能です。また、様々な設置箇所における電源条件に対応すべく、1台でACおよびDC電源への対応が可能です。
モバイルネットワークにおけるGM200 PTP グランドマスター・クロックの導入
スモールセル展開時におけるGM200 PTPグランドマスター・クロックの導入。優れた動作温度範囲特性を有し、スモールセル近傍への設置が可能
放送分野におけるPTPグランドマスター・クロックの役割
4K、8Kシステム導入に伴い、放送機器のIP接続化が進んでおり、各種の機器間を高精度で時刻同期を図ることが必須となっています。IPネットワーク上で時刻同期信号を送る技術として、IEEE 1588 PTP(Precision Time Protocol(高精度時刻同期プロトコル))がすでに標準化されており、放送業界においても同標準を用いた時刻同期手法の導入が進んでいます。放送機器のIP化に必要な時刻同期精度のためのPTPプロファイルとして、SMPTE(Society of Motion Picture & Television Engineers)によりSMPTE 2059が標準化されています。GM200 PTPグランドマスター・クロックは、放送用時刻同期プロファイルSMPTE 2059をサポートしています。
IP リモートプロダクションにおけるGM200 PTP グランドマスター・クロックの導入
産業向けイーサネットにおけるPTPグランドマスターの役割
従来のイーサネットは、ベストエフォート型のネットワークとして、時刻同期の概念を有しませんが、FAによる生産ライン、車載、および各種産業向けのイーサネットにおいては、制御系ネットワークとしてのイーサネットとしてリアルタイム性および時刻の同期性が求められます。これに向けて、イーサネットの拡張規格としてIEEE 802.1 TSN(Time-Sensitive Networking)標準の導入が進んでいます。IEEE 802.1 TSNにおいては、その時刻同期用プロファイルとしてIEEE 802.1AS が定義されており、これはIEEE 1588v2PTPをベースにプロファイルが定義されたものです。GM200 PTPグランドマスター・クロックは、産業向けイーサネット IEEE 802.1 TSNにおけるプロファイルとして、IEEE 802.1ASをサポートしています。
(出典:Introduction to IEEE 802.1, Focus on the Time-Sensitive Networking Task Group)
主な特徴
主な仕様